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ブックカフェで町を盛り上げる和歌山県有田川の挑戦 < 地域活動 2015/12/09 >




 話す人はなく、本をめくる音が静かに響き渡る。図書館では当たり前の光景。その常識を覆す「図書館」が和歌山県にある。
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 有田川町は、有田みかんと棚田が名物の、人口約2万7000人の小さな町。そこに、月間来場者数1万人という、驚異的な「図書館」が存在する。それが、有田川町地域交流センター「ALEC(アレック)」だ。 従来の図書館との違いは一目瞭然。自由に会話する人々。館内にはカフェも併設され、飲食をしながら、本を読む人々もいる。なぜこのような空間が実現されたのだろうか。同町では以前から、図書館がほしいという要望があった。しかし、「図書館という施設のあり方について、疑問がありました」と町の三角治教育部長は話す。
 三角さんが統計などで図書館の実態を調べると、利用者は高齢者や本好きの人、受験生といった一部の人に限られていた。住民の10%も利用していなかった。それら一部の人のために、多額の税金が投入されることに疑問を感じていた。
「本を読む場所」という枠にとらわれず、むしろ本を媒介として、人々が集まる空間づくりにする―そのために、ALECがとった方法は、図書館ではなく「地域交流センター」。カフェを設置した地域交流センターに本を置く、という逆転の発想だ。図書館法上の縛りを受けないALECはいわば、「本が読める町のカフェ」なのだ。
 実際に開館してみると、これまで図書館を利用しなかった人たちがたくさん来るようになった。
 自宅のようにお茶を飲み、寛ぎながら本を読む人、趣味のサークルの打ち合わせをする人、小さな子供を連れた親子たち。オープンテラスで本を読めるようにするため、盗難防止ゲートはないが、実害はほとんどない。 また、飲食による本の汚れも年間数冊程度だ。
 ゆったりと流れる有線放送のおかげで、それを上回るほどの大声で話す人もいない。
 そのように集まった人々に、町から広報やイベントの発信をするだけでなく、町民からの情報発信の場としても機能している。
 ALECには、通常の図書館にあるような、難しい専門書が少ない。その代わりに、ファッション誌や旅行雑誌、漫画コーナーなどが充実している。専門書が豊富な県立図書館は、車で30分ほどの所にある。それぞれの長所を活かして、棲み分けをしている。
「本を読む施設=
図書館」という当たり前の発想にとらわれず、〝地域の人々が本当に求めているもの〟という視点から考え、それを具体化させたのがALECなのだ。

 

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